看護師が通信制大学で取得を目指せる代表的なものは、看護学の学士(大学卒業相当の学位)です。すでに看護師免許を持っている人が、通信制の課程で学士取得に必要な単位を修得し、大学を卒業する方法があります。
一方、看護師免許そのものは、通信制大学に入学するだけでは取得できません。看護師国家試験の受験資格を得るための指定教育課程、実習、国家試験合格などが必要です。保健師や助産師を目指す場合も、別の指定課程と国家試験が必要になるため、目的に合う学校かを確認してください。
看護師が通信制大学で取得できるもの
通信制大学で目指せる資格や学位は、入学する課程によって異なります。まず、取得したいものを次のように分けて考えると判断しやすくなります。
| 目指すもの | 通信制大学での主な扱い | 必要な確認 |
|---|---|---|
| 看護学の学士 | 通信制の看護学課程などで単位を修得し、卒業を目指す | 編入学の可否、既修単位の認定、卒業要件、実習の有無 |
| 看護師免許 | 大学に在籍するだけでは取得できない | 看護師国家試験の受験資格につながる指定課程か |
| 保健師免許 | 保健師課程を修了し、国家試験合格を目指す | 看護師免許の保有要件、課程の指定、選抜方法、実習 |
| 助産師免許 | 助産師課程を修了し、国家試験合格を目指す | 看護師免許の保有要件、課程の指定、実習、募集人数 |
| 認定看護師などの資格 | 大学の学士課程とは別の制度 | 認定機関の教育課程、実務経験、申請要件 |
「資格」という言葉で検索していても、実際に必要なのが学士、国家資格、認定資格のどれかによって、選ぶ学校と手続きは変わります。
看護学士を通信制大学で取得する方法
すでに看護師免許を持っている人が看護学士を目指す場合は、通信制大学に入学して卒業する方法が基本です。一般的な流れは次のとおりです。
- 取得したい学位と、学びたい看護分野を決める。
- 通信制大学の募集要項で、看護師免許取得者向けの入学区分を確認する。
- 看護系の短期大学や専門学校などで修得した単位が、どの程度認定されるかを確認する。
- 出願書類を提出し、入学手続きを行う。
- 認定された単位を除き、卒業に必要な科目を履修する。
- レポート、試験、オンライン授業、対面授業や実習などを修了する。
- 卒業要件を満たし、大学を卒業して学士を取得する。
必要な在学期間や単位数は、入学区分と既修単位の認定結果によって異なります。看護師免許を持っていても、すべての単位が自動的に認定されるとは限らないため、出願前に個別相談や単位認定の案内を確認してください。
入学前に確認する項目
- 看護師免許や看護系教育機関の卒業歴を利用した編入学・転入学ができるか
- 専門学校や短期大学で修得した単位が認定される条件
- 卒業に必要な単位数と、必修科目の内容
- オンラインだけで完了する科目か、通学が必要な科目があるか
- 実習、対面授業、試験の実施場所と日程
- 標準修業年限と、仕事と両立できる履修上限
- 学費、教材費、実習費、スクーリング時の交通費や宿泊費
- 卒業後に取得できる学位の正式名称
大学を卒業せずに学士を申請する方法もある
看護系の教育機関で修得した単位に加えて、大学などで必要な単位を積み上げ、大学改革支援・学位授与機構に学士の学位を申請する方法もあります。ただし、申請できる条件、必要な単位、学修成果の提出や試験の扱いなどが定められています。
この方法は、通信制大学を卒業して学士を取得する方法とは異なります。自分が申請要件を満たすか、どの分野の学士を申請できるかは、大学改革支援・学位授与機構の案内で確認してください。
「大学卒業」の経歴が必要なのか、「学士の学位」が必要なのかによって、適した方法が変わります。勤務先の昇進要件や大学院の出願資格に使う場合は、提出先が求める条件も先に確認しましょう。
看護師免許を通信制大学で取得したい場合
まだ看護師免許を持っていない場合、一般的な通信制大学の通信授業だけで看護師免許を取得することはできません。看護師国家試験を受験するには、法律で定められた看護師養成課程で学び、必要な講義と臨地実習を修了する必要があります。
そのため、学校を選ぶときは「看護学を学べるか」ではなく、看護師国家試験の受験資格を得られる指定課程かを確認してください。大学名に看護が含まれていても、すべての通信課程が看護師養成課程とは限りません。
保健師や助産師を目指す場合の注意点
すでに看護師免許を持つ人が保健師や助産師を目指す場合は、対応する教育課程を修了し、各国家試験に合格する必要があります。通信形式を含む課程があるかどうかは、年度、学校、募集区分によって異なります。
特に、講義がオンラインで受けられても、実習まで自宅で完了できるとは限りません。出願前に、次の項目を学校へ直接確認してください。
- 看護師免許が入学条件になっているか
- 保健師課程または助産師課程として指定されているか
- 国家試験の受験資格につながる課程か
- 実習先を自分で確保する必要があるか
- 実習の地域、期間、勤務との両立条件
- 修了後に受験できる国家試験の種類
大学の課程を修了しても、国家試験に合格するまでは保健師免許や助産師免許を取得したことにはなりません。
働きながら通信制大学で学ぶときの選び方
看護師が仕事と学業を両立するなら、授業形式だけでなく、実習と試験の負担を確認することが重要です。次の条件を比べて、自分の勤務形態に合う課程を選びます。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 授業形式 | 録画授業、ライブ授業、テキスト学習のどれが中心か |
| 通学日 | スクーリングや試験で、指定会場への通学が必要か |
| 実習 | 実習の有無、期間、場所、勤務先で実施できるか |
| 単位認定 | これまでの学歴や修得科目がどの範囲で認定されるか |
| 学習期限 | 標準修業年限、休学、在籍できる最長期間 |
| 費用 | 授業料以外に、入学料、教材費、実習費、試験費用があるか |
「通信制」と書かれていても、すべての学習が自宅で完了するとは限りません。特に国家資格に関わる課程では、実習や対面授業が受験資格の条件になることがあるため、募集要項の履修条件を確認してください。
出願前に最初に確認すること
まず、取得したいものを「看護学士」「看護師免許」「保健師免許」「助産師免許」のどれかに決めてください。そのうえで、候補校の公式な募集要項で、入学資格、単位認定、実習、国家試験の受験資格、費用を確認します。
看護師免許をすでに持っていて学士を目指すなら、過去の成績証明書や単位修得証明書を用意し、入学後に何単位が認定されるかを学校へ確認すると、修了までの期間を判断しやすくなります。
看護師免許や保健師・助産師免許などの国家資格を目指す場合は、「通信制で学べるか」だけでなく、課程の指定と国家試験の受験資格を必ず確認してください。通信制大学で取得できるものは、学士なのか、国家資格につながる課程なのかによって方法が異なります。







