看護師が通信制大学へ編入するにはどうすればいい?

看護師が通信制大学へ編入するにはどうすればいい?

看護師が通信制大学へ編入するには、希望する大学の編入学要件を満たし、出願書類をそろえて選考を受けます。ただし、看護師免許を持っているだけで、どの通信制大学にも編入できるわけではありません。

特に確認が必要なのは、看護師免許を取得した課程の種類、修業年限、修得単位、編入年次、そして卒業後に取得できる学位です。大学によっては、編入ではなく1年次入学になる場合もあります。

看護師が通信制大学へ編入するための基本条件

編入できるかどうかは、主に「どの学校を卒業したか」と「大学が定める単位・学歴要件を満たしているか」で決まります。看護師免許そのものは、編入資格を一律に与えるものではありません。

確認する項目 見るポイント
最終学歴 看護系大学、短期大学、専門学校などのどの課程を修了したか
修業年限 2年課程、3年課程、4年課程などの違い
修得単位 編入先が認定できる単位数と科目の内容
編入年次 2年次、3年次など。大学によって設定が異なる
学位の種類 学士(看護学)なのか、別分野の学士なのか

看護系の専門学校を卒業した場合

3年課程の看護専門学校を卒業していても、すべての通信制大学に3年次編入できるとは限りません。専門学校で修得した単位をどこまで認定するかは、編入先の大学が判断します。

専門学校を卒業していることで大学への入学資格を満たしていても、それは3年次編入が認められることとは別です。大学の募集要項で、専門学校卒業者が編入対象に含まれているかを確認してください。

看護系の短期大学を卒業した場合

看護系短期大学の卒業者は、大学によっては3年次編入の対象になります。ただし、短期大学で修得した科目がすべて移行するとは限らず、卒業に必要な単位を追加で履修することがあります。

看護大学を卒業した場合

看護大学を卒業している人が、別の通信制大学へ編入できるかは、大学ごとの募集区分によって異なります。すでに学士を取得している場合は、編入ではなく科目等履修生や学士入学など、別の制度が適していることもあります。

通信制大学への編入手続きは5段階で進める

出願前に編入年次と単位認定の見込みを確認し、大学の募集要項に沿って手続きを進めます。

  1. 取得したい学位と目的を決める

    「学士を取得したい」のか、「看護学の学士を取得したい」のかを先に決めます。通信制大学を卒業しても、必ずしも学位が看護学になるとは限らないためです。

  2. 編入を受け付けている大学を探す

    大学の公式な募集要項で、看護師免許の有無ではなく、出身校、修業年限、卒業資格、修得単位などの条件を確認します。「看護師向け」と書かれていても、編入ではなく1年次入学を案内している場合があります。

  3. 単位認定の条件を確認する

    既修得単位の認定方法、認定される科目の範囲、卒業に必要な残りの単位数を確認します。入学資格の審査と、入学後の単位認定は別に行われることがあるため、両方を確認してください。

  4. 出願書類を準備する

    一般には、入学願書、卒業証明書または修了証明書、成績証明書などを用意します。大学によっては、学習計画書、志望理由書、看護師免許の写し、履修科目の内容が分かる資料などを求めることがあります。

  5. 選考を受け、合格後に履修計画を立てる

    書類審査だけでなく、小論文、面接、確認テストなどが行われる場合があります。合格後は、認定単位を反映した履修登録を行い、卒業までに必要な科目を確認します。

編入前に必ず確認したい4つの条件

1. 何年次に編入できるか

同じ学歴でも、大学によって2年次編入、3年次編入、編入不可などの扱いが異なります。3年次編入ができると思って出願しても、修得単位や出身校の条件によって低い年次での入学になることがあります。

募集要項では、次のような項目を確認します。

  • 編入学の対象者
  • 出願時点で卒業している必要があるか
  • 卒業見込みで出願できるか
  • 認定される単位の上限
  • 卒業に必要な在学期間

2. 看護学の学士を取得できるか

通信制大学で取得できる学位は、大学・学部・学科によって異なります。一般的な学士を取得できる課程と、看護学を専門とする学士を取得できる課程は同じではありません。

看護師としてのキャリアで「学士(看護学)」が必要なのか、大学卒業の資格が必要なのかによって、選ぶ課程は変わります。募集要項で、学位の名称と学位を授与する学部・学科を確認してください。

3. 通信だけで卒業できるか

通信制大学でも、すべての学習がオンラインだけで完了するとは限りません。対面授業、オンライン授業、試験、実習、演習、実験などの実施方法は大学ごとに異なります。

看護学を学ぶ課程では、科目によって実習や演習が必要になることがあります。勤務先や居住地から通えるか、勤務日と授業日が重ならないかを確認してください。

4. 卒業までの期間と費用

編入年次が高くても、単位認定の結果や必修科目の開講時期によって、想定より卒業まで時間がかかることがあります。卒業までの期間は「編入年次」だけで判断せず、残りの必修科目と履修できる時期で考えます。

費用は、入学料、授業料、科目ごとの費用、スクーリングや実習に関する費用などに分かれる場合があります。募集要項や学費案内で、初年度だけの費用か、卒業までに必要な費用の目安かを区別して確認してください。

出願前に準備する書類

必要書類は大学によって異なりますが、看護師が編入を検討する場合は、次の資料を早めに準備すると確認が進みます。

  • 最終学歴の卒業証明書または修了証明書
  • 成績証明書
  • 履修した科目と単位数が分かる資料
  • 授業内容が分かるシラバスや授業概要
  • 看護師免許証の写しを求められた場合の書類
  • 大学指定の志望理由書や学習計画書

卒業した学校によっては、成績証明書やシラバスの発行に時間がかかります。単位認定の確認に必要になる可能性があるため、出願を決めたら早めに母校へ問い合わせます。

編入できない場合は1年次入学も選択肢になる

希望する通信制大学が編入を受け付けていない場合や、既修得単位の認定が少ない場合は、1年次入学のほうが履修計画を立てやすいことがあります。

一方で、1年次入学なら必ず短期間で卒業できる、編入なら必ず早く卒業できるという関係ではありません。自分の単位がどこまで認定されるかを大学に確認し、入学区分ごとの卒業までの見込みを比較してください。

看護師の通信制大学編入でよくある注意点

看護師免許があれば自動的に編入できるわけではない

看護師免許は専門性を示す資格ですが、大学の編入学資格や単位認定の条件とは別です。免許を取得した教育課程と、大学が指定する学歴・単位要件を確認する必要があります。

「単位を認定する」と「その科目を履修しなくてよい」は同じではない

単位の認定方法によっては、卒業に必要な総単位数には算入されても、専門科目や必修科目の代わりにはならないことがあります。どの科目が免除されるのか、どの科目を新たに履修する必要があるのかを確認してください。

看護師免許の更新や取得が目的なら別の制度を確認する

通信制大学は、大学の学位を取得するための教育機関です。看護師免許を取得するための養成課程や、別の資格更新制度とは目的が異なります。学位取得、認定看護師などの資格、大学院進学のどれが目的なのかを整理してから学校を選びます。

迷ったときは大学にこの順番で問い合わせる

出願前に、大学の入試担当窓口または通信教育担当窓口へ、次の内容をまとめて確認すると判断しやすくなります。

  1. 「看護師養成課程を卒業して看護師免許を取得している」と伝える
  2. 卒業した学校の種類、課程、修業年限、卒業年を伝える
  3. 希望する編入年次に出願できるか聞く
  4. 成績証明書やシラバスを提出した場合の単位認定方法を聞く
  5. 卒業に必要な残りの単位、必修科目、スクーリングの有無を聞く
  6. 取得できる学位の正式名称を確認する

問い合わせの際は、「編入できますか」だけでなく、「この学歴と単位の場合、何年次に出願でき、卒業までに何を履修する見込みか」と具体的に尋ねることが大切です。

看護師が通信制大学へ編入する最初の一歩は、看護師免許の有無ではなく、出身校・修業年限・修得単位を募集要項に照らして確認することです。そのうえで、編入年次、単位認定、学位、実習やスクーリング、卒業までの費用を大学へ確認し、自分の目的に合う課程を選びます。