看護大学のメリットは、4年間かけて看護学を幅広く学び、学士(看護学)を取得できることです。看護専門学校のメリットは、一般に3年間で看護師を目指せて、実習や就職に向けた学習へ集中しやすいことです。
ただし、修業年限、学費、実習先、保健師・助産師課程の有無は学校ごとに異なります。進学先は「大学か専門学校か」だけでなく、取得できる資格、学費、通学期間、学び方を比べて決めることが大切です。
看護大学のメリット
看護大学では、看護師に必要な知識や技術だけでなく、医学・福祉・保健・研究などを含めて、時間をかけて学べます。看護師国家試験の受験資格を得られる課程であれば、卒業後に看護師を目指せます。
学士を取得できる
大学を卒業すると、看護学の学士を取得できます。学士があることで、大学院への進学や、将来の教育・研究分野など、進路の選択肢を広げやすい点がメリットです。
ただし、学士を取得したことだけで、特定の職種や役職に就けるとは限りません。就職や昇進の条件は、勤務先や職種によって異なります。
看護を幅広い視点で学びやすい
看護大学では、看護技術に加えて、患者の生活、家族への支援、地域医療、保健医療制度などを学ぶ機会があります。複数の分野を関連付けて考える力を身につけたい人に向いています。
保健師・助産師を目指せる場合がある
大学によっては、保健師課程や助産師課程を設けている場合があります。ただし、すべての看護大学で取得できるわけではなく、選択制や定員制になっていることもあります。
保健師や助産師を目指す場合は、希望する課程があるか、選抜方法、卒業時に取得できる資格や受験資格を、大学の募集要項で確認してください。
4年間で学習計画を立てやすい
一般に看護大学は4年制のため、専門科目や実習に加えて、教養科目や研究に取り組む時間を確保しやすい傾向があります。卒業研究などを通じて、文献を調べたり、根拠をもとに看護を考えたりする経験もできます。
看護専門学校のメリット
看護専門学校では、看護師になるための専門的な学習と実習に集中しやすい点がメリットです。一般に3年課程が多く、看護師国家試験の受験資格を得られる課程を修了すれば、大学より短い期間で看護師を目指せます。
短い期間で看護師を目指せる
3年課程の看護専門学校なら、4年制の看護大学より1年早く卒業できます。できるだけ早く就職して現場経験を積みたい人や、学習期間を短くしたい人に向いています。
ただし、専門学校には3年課程だけでなく、修業年限が異なる課程もあります。出願前に、修業年限と卒業時に得られる看護師国家試験の受験資格を確認してください。
実習や就職を意識した学習に集中しやすい
専門学校では、看護の専門科目や臨地実習を中心にカリキュラムが組まれていることが多く、看護師として働くための知識や技術を身につけることに集中しやすい傾向があります。
実習先の病院や施設が決まっている学校もあるため、希望する領域の実習ができるか、実習先と就職先の関係があるかを学校案内などで確認すると判断しやすくなります。
大学より通学期間を短くできる場合がある
3年課程を選べば、大学より1年短い期間で卒業できます。学費の総額も抑えられる可能性がありますが、入学金、授業料、実習費、教材費、ユニフォーム代、通学費などは学校ごとに異なります。
「3年間だから必ず安い」とは限らないため、毎年の納入金だけでなく、卒業までに必要な費用の合計を学校ごとに確認しましょう。
看護大学と看護専門学校の違い
主な違いは、修業年限、学位、学習の幅、卒業後の進学先です。どちらにも看護師を目指せる課程がありますが、学校ごとに制度やカリキュラムが異なります。
| 比較項目 | 看護大学 | 看護専門学校 |
|---|---|---|
| 一般的な修業年限 | 4年 | 3年課程が多い |
| 卒業時の学位 | 学士(看護学) | 学位ではなく、課程に応じた専門士など |
| 学習内容 | 看護に加え、教養・研究・地域保健なども学びやすい | 看護の専門科目や実習に集中しやすい |
| 看護師国家試験 | 受験資格を得られる課程がある | 受験資格を得られる課程がある |
| 保健師・助産師への進路 | 学内課程で目指せる大学がある | 卒業後に別の養成課程へ進むなど、学校によって異なる |
| 学費・費用 | 国公立・私立などで大きく異なる | 設置者や学校によって大きく異なる |
看護師国家試験の受験資格は、学校の種類だけでなく、指定された課程を修了することなどの条件で決まります。志望校の募集要項で、卒業時に取得できる資格と受験資格を確認してください。
どちらが向いているかは目的で決まる
看護大学と看護専門学校のどちらがよいかは、将来の進路、学びたい内容、通学できる期間と費用によって変わります。
看護大学が向いている人
- 看護学を幅広く学び、学士を取得したい人
- 保健師や助産師の課程も含めて進路を検討したい人
- 大学院進学や研究、教育分野にも関心がある人
- 4年間かけて教養や研究を含めて学びたい人
看護専門学校が向いている人
- 3年課程などで、できるだけ早く看護師を目指したい人
- 看護の専門学習や実習に集中したい人
- 志望する病院や地域と関係の深い学校で学びたい人
- 大学以外の進路も含めて、学費や通学期間を比較したい人
たとえば、将来の進路を広く残したいなら看護大学、看護師として早く働き始めたいなら3年課程の看護専門学校が候補になります。これは一般的な選び方であり、実際には各学校のカリキュラムや費用を比べて判断してください。
学校選びで確認する項目
出願前には、次の項目を学校ごとに同じ条件で比べると、入学後のミスマッチを防ぎやすくなります。
- 修業年限と取得資格を確認する。看護師国家試験の受験資格が得られる課程か、保健師・助産師課程の有無も確認します。
- 卒業までの費用を計算する。授業料だけでなく、入学金、実習費、教材費、交通費、生活費なども確認します。
- 実習先と実習内容を調べる。病院、訪問看護、福祉施設、地域など、どの領域で実習するかを確認します。
- 国家試験対策と学習支援を比べる。補講、個別指導、相談体制など、具体的な支援内容を確認します。
- 卒業後の進路を確認する。就職先の分野や、大学院・別の養成課程への進学実績などを、学校が公表している範囲で確認します。
- 通学と生活をシミュレーションする。授業や実習の時間、通学時間、アルバイトとの両立が可能かを考えます。
看護大学と看護専門学校のメリットを選ぶポイント
学士取得、幅広い学習、大学院進学などを重視するなら、看護大学のメリットを生かしやすいでしょう。一方、短い期間で看護師を目指すこと、実習中心の学習、通学しやすさを重視するなら、看護専門学校が候補になります。
最初に、志望校の募集要項で「修業年限」「卒業時の資格」「国家試験受験資格」「卒業までの費用」を確認してください。そのうえで、将来の働き方と自分が続けやすい学習環境に合う学校を選ぶことが大切です。







