看護師として働きながら資格を取得する方法はあります。主な選択肢は、通信制・オンライン講座を利用する方法、夜間や休日に通う方法、勤務先の研修・支援制度を使う方法です。
ただし、資格によっては実習や集合研修が必要で、勤務日数を減らしたり休職したりしなければならない場合があります。まずは、取得したい資格の受験条件、学習期間、実習の有無を確認してから計画を立てましょう。
働きながら取得しやすい資格の選び方
仕事との両立を優先するなら、試験だけで取得できる資格や、通信・オンラインで学べる資格から検討すると進めやすくなります。一方、認定看護師や専門看護師のように、一定の実務経験や教育課程の修了が必要な資格は、勤務先との調整が重要です。
| 資格の例 | 働きながら取得する場合の確認点 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 看護分野の民間資格 | 通信講座やオンライン学習に対応しているか、試験日や受験条件 | まず特定分野の知識を身につけたい人 |
| 認定看護師 | 実務経験、教育課程、実習、勤務先の支援や勤務調整 | 特定の看護分野で専門性を高めたい人 |
| 専門看護師 | 大学院での学修、実務経験、必要な単位や認定条件 | より高度な実践・相談・教育・研究に関わりたい人 |
| 特定行為研修 | 研修区分、講義・演習・実習の期間、勤務先で実施できる環境 | 特定の医療行為に関する判断力や実践力を高めたい人 |
| 保健師・助産師などの免許 | 指定された教育課程の修了と国家試験、通学や実習の時間 | 保健活動や助産など、職域を広げたい人 |
上表は資格の種類による一般的な違いです。実際の受験資格、教育期間、研修内容は、資格を運営する団体や学校の募集要項で確認してください。
看護師として働きながら資格を取得する4つの方法
1. 通信制やオンライン講座で学ぶ
勤務時間が不規則な人には、通信制やオンライン講座が向いています。録画講義を使える講座なら、夜勤明けや休日など、自分の予定に合わせて学習できます。
ただし、すべての資格がオンラインだけで完結するとは限りません。試験会場での受験、対面授業、実技、実習が必要な場合があるため、申し込み前に次の点を確認しましょう。
- 学習期間と修了期限
- 講義がライブ配信か録画配信か
- 実技や実習の有無
- 試験の場所と日程
- 再試験や休学の条件
- 受講料以外にかかる教材費や交通費
2. 夜間・休日の学校や研修に通う
夜間や休日に授業を行う学校・研修なら、勤務を続けながら通える可能性があります。勤務先から通いやすい場所を選ぶと、移動時間を減らせます。
夜勤がある場合は、授業の翌日に夜勤が入ると負担が大きくなります。申し込み前に勤務表と授業日を照らし合わせ、毎月どの程度の休みや勤務変更が必要になるかを計算してください。
3. 勤務先の研修制度や資格取得支援を利用する
病院や施設によっては、受験料・受講料の補助、研修日の勤務扱い、出張扱い、奨学金、休職制度などを設けている場合があります。ただし、支援の有無や条件は勤務先ごとに異なります。
看護部や人事担当者には、次の内容を具体的に確認すると判断しやすくなります。
- 対象となる資格や研修
- 受講料・受験料・交通費の補助額
- 勤務時間として扱われる日があるか
- 実習期間中の勤務調整が可能か
- 資格取得後の在籍期間など、返還条件があるか
- 申請の締切と必要書類
支援を受けられる場合でも、資格取得後に一定期間の勤務を求められることがあります。金額だけでなく、支援を受けた場合の条件まで確認しましょう。
4. 一時的に勤務日数を減らす・休職する
実習や通学が多い資格では、短時間勤務、非常勤勤務、夜勤免除、休職などを組み合わせる方法もあります。働き続けることだけにこだわると、学習や実習を続けられなくなることがあるためです。
勤務を変更する場合は、資格取得に必要な期間だけでなく、収入の減少、社会保険、賞与、復職条件も確認してください。家計への影響を計算したうえで、勤務を維持するか調整するかを決めます。
資格取得までの進め方
資格の種類を決める前に、目的と勤務状況を整理すると、無理のない方法を選びやすくなります。
- 資格を取る目的を決める
専門分野を深めたいのか、転職や職域変更につなげたいのか、現在の職場で役割を広げたいのかを書き出します。 - 候補資格の公式な募集要項を確認する
受験資格、実務経験、教育課程、実習、試験日、費用を確認します。 - 勤務との重なりを調べる
授業日、実習期間、試験日と、勤務日・夜勤日・繁忙期を照らし合わせます。 - 勤務先に相談する
必要な休み、勤務変更、費用補助、研修日の扱いを具体的に伝えます。 - 学習時間と費用を計画する
毎週の学習時間、受講料、教材費、交通費、試験料、勤務を減らした場合の収入減少を見積もります。 - 申し込み前に両立可能か再確認する
実習や試験に参加できない場合の振替・延期条件も確認してから申し込みます。
働きながら資格取得を続ける学習の工夫
看護師は勤務が不規則になりやすいため、「毎日必ず勉強する」と決めるより、勤務形態ごとに学習方法を分けると続けやすくなります。
- 勤務日:通勤中に講義を聞く、短時間で問題を解く
- 夜勤前:重い課題を避け、復習や暗記を中心にする
- 夜勤明け:睡眠を優先し、学習時間を短くする
- 休日:まとまった時間でレポートや演習を進める
- 休みの日:予備日を作り、遅れを取り戻せるようにする
学習計画は、試験日から逆算して作ります。たとえば、試験前に問題演習の期間を確保し、その前に講義の視聴やテキストの通読を終えるように分けると、直前に学習が集中しにくくなります。
計画どおりに進まない場合に備えて、毎週すべての時間を使い切らず、予備の時間を残しておくことも大切です。
働きながら取得する場合に注意したいこと
実務経験の起算日を確認する
資格によっては、一定年数の実務経験や特定分野での勤務経験が受験条件になります。看護師として働いた期間がすべて同じように算入されるとは限らないため、勤務先や資格の運営団体に確認してください。
実習期間は通常勤務と同じように考えない
実習では、勤務以外の時間に記録や課題が発生することがあります。実習先までの移動時間も含めて、勤務と学習を同時に続けられるか考える必要があります。
資格の名称と取得後の業務を確認する
民間資格を含め、資格を取得しただけで業務範囲や給与、職位が自動的に変わるとは限りません。取得後にどのような業務を担当できるのか、職場で評価や手当の対象になるのかを事前に確認しましょう。
費用は受講料だけで計算しない
必要な費用には、受講料や受験料のほか、教材費、交通費、宿泊費、実習に伴う勤務減少分などが含まれることがあります。金額が確認できない項目がある場合は、総額を確定せず、余裕を持って予算を組みます。
自分に合う方法を判断する目安
| 状況 | 検討しやすい方法 |
|---|---|
| 勤務時間が不規則で、通学が難しい | 通信制・オンライン講座。ただし実習や対面試験の有無を確認する |
| 土日や夜に時間を確保できる | 夜間・休日の学校や研修 |
| 職場が資格取得を推奨している | 勤務先の費用補助や勤務調整制度を利用する |
| 実習や通学の時間が長い | 時短勤務、夜勤免除、勤務日数の調整、休職を検討する |
| 資格の目的がまだはっきりしない | まず業務に関連する短期講座や研修で必要性を確かめる |
判断に迷う場合は、まず「資格取得後にどの仕事をしたいか」を決め、その仕事に本当に必要な資格かを確認してください。目的に必要な資格であれば、勤務先の支援や勤務調整を相談する価値があります。
看護師として働きながら資格を取得するなら、最初に資格の公式な受験条件と実習の有無を確認し、次に勤務先へ支援制度と勤務調整を相談するのが基本です。通信・夜間通学・職場の支援・一時的な勤務調整を組み合わせ、収入と学習負担を含めて無理のない計画を立てましょう。







