看護師国家試験の模試は、合格可能性を判定するだけでなく、本番に向けた弱点発見と学習計画の修正に使うものです。効果を高めるには、本番と同じ条件で受験し、成績表の点数だけでなく、間違えた理由や時間配分まで確認します。
看護師国家試験の模試を受ける目的
模試を受ける主な目的は、現在の実力を知り、国家試験までに何を勉強するかを具体化することです。模試の結果がよかったかどうかだけで、合格を断定したり、勉強が不要だと判断したりすることはできません。
- 国家試験の問題形式や出題範囲に慣れる
- 必修問題、一般問題、状況設定問題の得意・不得意を確認する
- 時間配分や長時間の試験への対応力を試す
- 知識不足、読み間違い、判断ミスなどの原因を見つける
- 試験本番までの学習内容と優先順位を決める
特に、普段の問題演習では気づきにくい「最後まで集中できない」「見直しの時間が足りない」といった課題を確認できる点が、模試を受ける意味です。
模試は本番と同じ条件で受験する
模試の効果を高めるには、できるだけ本番に近い環境で受験します。途中で参考書を見たり、分からない問題を長時間調べたりすると、実際の試験での判断力や時間配分を確認できません。
- 試験開始前に必要な筆記用具や時計を準備する
- 決められた時間内で、休憩や中断をせずに解く
- 分からない問題は印を付け、いったん先へ進む
- 終了時刻までに解答を見直す
- 解答後に、得点だけでなく所要時間と迷った問題を記録する
自宅で受ける場合も、スマートフォンの通知を切り、机の上に関係のない教材を置かないようにします。会場で受験する模試では、移動時間や周囲の環境も含めて、本番に近い経験を積めます。
模試の成績表で確認するポイント
成績表は、総合点だけでなく、必修問題の状況、分野別の正答率、順位や判定の見方を確認します。ただし、模試ごとに問題の難易度や受験者層が異なるため、判定をそのまま本番の結果と考えないことが大切です。
必修問題の正答状況
必修問題は、一般問題や状況設定問題とは異なる基準で合否に関係するため、苦手な分野を放置しないようにします。必修問題で間違いが多い場合は、基礎知識の確認を優先し、模試の解説だけで終わらせず関連する教材に戻って復習します。
分野別の得点
成人看護学、基礎看護学、在宅看護論など、分野ごとの得点や正答率を比べると、学習の優先順位を決めやすくなります。ただし、正答率が低い分野だけでなく、出題範囲が広く、複数の問題で間違えている分野も確認します。
問題を間違えた理由
同じ不正解でも、原因によって対策は変わります。成績表の分類だけでなく、自分で問題を次のように分けると復習しやすくなります。
| 間違えた理由 | 主な対策 |
|---|---|
| 知識を知らなかった | 教科書や参考書で基本事項を確認し、要点を整理する |
| 知識はあったが思い出せなかった | 期間を空けて同じ内容を解き直し、暗記だけでなく説明できるか確認する |
| 問題文を読み違えた | 「正しいもの」「誤っているもの」などの条件に線を引いて読む |
| 選択肢で迷って外した | 正解の根拠だけでなく、他の選択肢が誤りとなる理由も確認する |
| 時間が足りなかった | 解く順番と、1問にかける時間の目安を見直す |
模試の復習は「間違えた問題」から始める
復習は、すべての問題を同じ時間かけて解説を書き写すより、間違えた問題と迷って正解した問題を優先します。正解していても自信がなかった問題は、次回に間違える可能性があるためです。
- 間違えた問題と、迷って正解した問題に印を付ける
- 解説を見る前に、もう一度問題を自力で解く
- 正解の根拠と、他の選択肢が誤りとなる理由を確認する
- 間違えた原因を「知識不足」「読み違い」「判断ミス」などに分類する
- 必要な内容を参考書や授業資料で調べる
- 自分の言葉で要点を短くまとめる
- 数日後や1週間後など、期間を空けて解き直す
解説を読んで分かったつもりになるだけでは、次に同じ形式の問題が出たときに解けるとは限りません。選択肢を隠して答えられるか、理由を口頭で説明できるかまで確認すると、理解度を判断しやすくなります。
復習ノートは情報を増やしすぎない
復習ノートには、問題文や解説をすべて写す必要はありません。「なぜ間違えたか」「正解の根拠は何か」「次に何を確認するか」を短く記録します。
たとえば、疾患名だけを書くのではなく、「症状の組み合わせを見落とした」「観察項目の優先順位を取り違えた」のように、間違い方まで残します。自分のミスの傾向が分かると、次の模試や本番前の見直しに使いやすくなります。
模試の結果を次の学習計画に反映する方法
模試を受けた後は、結果を見て終わりにせず、次の模試までの学習内容を決めます。すべての苦手分野を一度に完璧にしようとせず、点数への影響が大きく、繰り返し間違えている内容から取り組みます。
- まず必修問題の基礎知識を確認する
- 次に、分野別に間違いが多いテーマを絞る
- 過去に間違えた問題を解き直す
- 新しい問題だけでなく、復習した問題の定着度も確認する
- 次回の模試で確認したい目標を1〜3個決める
目標は「もっと頑張る」ではなく、「必修問題の間違いを減らす」「状況設定問題を最後まで解く」「成人看護学の循環器分野を復習する」のように、確認できる形にします。
模試を受ける時期と回数の考え方
模試は、学習の進み具合に合わせて複数回受けると、弱点の変化や時間配分を確認しやすくなります。ただし、回数を増やすことだけが目的になると、復習の時間が不足します。
学習初期は現在の位置を把握するために活用し、試験が近づいた時期は本番形式での実戦練習として使います。模試と模試の間には、問題を解き直し、間違いの原因を修正する期間を確保してください。
受験時期や申込方法、出題範囲は実施する模試によって異なるため、申し込む前に主催者の案内で確認します。日程が合わない場合は、受験後の復習時間を確保できるかを優先して選ぶとよいでしょう。
模試を受けても点数が伸びないときの見直し方
点数が伸びない場合は、勉強時間だけでなく、復習方法と間違いの原因を見直します。模試を何度も受けているのに同じ分野で間違えるなら、解説を読むだけで、知識を使う練習や解き直しが不足している可能性があります。
- 同じ問題を、期間を空けて解き直しているか
- 正解の理由を自分の言葉で説明できるか
- 間違えた選択肢の理由まで確認しているか
- 苦手分野を後回しにしていないか
- 問題文の条件を読み落としていないか
- 睡眠不足や時間配分によって本来の力を出せていないか
一度の模試で点数が下がることもあります。問題の難易度や出題分野によって結果は変わるため、1回の判定だけで学習全体を評価せず、複数回の結果と復習後の変化を見ます。
模試の活用で避けたいこと
模試の点数や順位だけを目標にすると、本番で必要な知識の定着につながらないことがあります。次のような使い方は避けましょう。
- 受験しただけで復習を終える
- 正解した問題を一切確認しない
- 解説を丸写しして理解したつもりになる
- 模試に出た問題だけを暗記する
- 1回の判定で合格・不合格を決めつける
- 点数を上げるために、苦手分野を避けて得意分野だけ解く
模試は本番の問題を予想するためだけのものではありません。出題された知識を周辺分野と結び付け、別の聞かれ方でも答えられる状態にすることが重要です。
看護師国家試験の模試を活用するときの要点
模試は、本番に近い条件で受けたうえで、点数よりも「何を、なぜ間違えたか」を確認することが大切です。必修問題の状況、分野別の弱点、時間配分、問題文の読み方を順に見直し、次の学習計画へ反映させます。
まずは模試の答案を、間違えた問題・迷って正解した問題・時間がかかった問題に分けてください。その後、原因を分類して解き直し、数日後にもう一度確認するところまで行うと、模試を合格に向けた学習へつなげやすくなります。







