看護師を目指せる看護学校の入試は、主に総合型選抜、学校推薦型選抜、一般選抜の3種類です。ほかに、社会人や既卒者を対象にした特別選抜を設けている学校もあります。
ただし、募集区分の名前、出願条件、試験科目、募集人数は学校ごとに異なります。看護大学・短期大学・看護師養成所のどこを受けるかによっても、入試の内容が変わるため、志望校の募集要項で確認することが大切です。
看護学校の入試は主に3種類
現在の入試区分は、学力だけでなく、志望理由や学校での成績、面接などを組み合わせて合否を決める形が中心です。
| 入試の種類 | 主な対象 | よくある選考内容 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 総合型選抜 | 高校生、既卒者など | 書類、面接、小論文、基礎学力検査など | 志望理由や経験を自分の言葉で伝えられる人 |
| 学校推薦型選抜 | 高校から推薦を受けられる人 | 調査書、推薦書、面接、小論文、基礎学力検査など | 高校での成績や活動を生かしたい人 |
| 一般選抜 | 出願条件を満たす人 | 国語、英語、数学、理科、面接など | 学力試験を中心に受験したい人 |
この表は一般的な傾向です。すべての看護学校が同じ内容で実施するとは限らず、試験科目や面接の有無は募集要項で確認する必要があります。
総合型選抜は人物や志望理由を幅広く見る入試
総合型選抜は、志望理由、看護師になりたい目的、これまでの経験、学ぶ意欲などを、書類や面接などで総合的に評価する入試です。以前の「AO入試」に近い方式として案内されることもあります。
試験内容には、次のようなものがあります。
- 志望理由書やエントリーシート
- 面接
- 小論文
- 作文
- 基礎学力検査
- プレゼンテーションや課題
総合型選抜でも、学力をまったく確認しないとは限りません。看護学校によっては、国語や数学などの基礎学力検査を行うため、面接対策だけでなく試験科目の確認も必要です。
総合型選抜に向いている人
看護師を目指す理由が明確で、学校の教育方針と自分の目標との関係を説明できる人に向いています。医療や福祉に関する経験がある場合もアピール材料になりますが、経験の有無だけで合否が決まるわけではありません。
学校推薦型選抜は高校の推薦を受けて出願する入試
学校推薦型選抜は、高校から推薦を受けて出願する入試です。高校での成績、出席状況、活動内容、面接、小論文などが評価されます。
主な種類には、次のようなものがあります。
- 指定校推薦:看護学校から指定された高校の生徒が対象
- 公募推薦:学校が定める条件を満たし、高校の推薦を受けた人が対象
- 地域推薦:指定地域の出身者や、卒業後に地域で働く意思がある人などが対象
名称や条件は学校ごとに違います。たとえば、評定平均値、卒業見込みであること、欠席日数、卒業後の就業意思などが出願条件に含まれる場合があります。
推薦入試で確認する条件
推薦入試を検討するときは、次の項目を高校の進路担当者や志望校の募集要項で確認します。
- 指定校推薦か公募推薦か
- 評定平均値などの学業成績の条件
- 卒業見込みが必要か、既卒者も出願できるか
- 高校から推薦を受けられる人数
- 専願か、ほかの学校と併願できるか
- 地域や卒業後の就業に関する条件
「推薦」と書かれていても、合格後の入学を約束する専願方式とは限りません。併願の可否や入学手続きの条件は、個別に確認してください。
一般選抜は学力試験を中心に判定する入試
一般選抜は、入学後に必要な基礎学力を、筆記試験などで確認する入試です。高校卒業見込みの人だけでなく、学校が定める学歴などの条件を満たす既卒者も受験できる場合があります。
試験科目として設定されることがあるのは、次の科目です。
- 国語
- 英語
- 数学
- 生物や化学などの理科
- 小論文
- 面接
すべての科目を受験するとは限りません。たとえば国語と数学、英語と面接など、学校によって組み合わせが異なります。看護大学では大学入学共通テストの利用方式や、大学独自の試験を行う場合もあります。
一般選抜に向いている人
筆記試験に向けて計画的に学習できる人や、推薦の出願条件を満たしていない人に向いています。推薦型選抜で不合格になった場合に、同じ学校または別の学校の一般選抜を受けられることもありますが、出願できるかどうかは学校ごとの規定によります。
社会人入試や既卒者向けの特別選抜もある
看護学校によっては、社会人や高校卒業後に一定期間が経過した人を対象にした「社会人入試」「社会人選抜」「既卒者選抜」などを実施しています。これは全国共通の一つの入試制度ではなく、各学校が独自に設ける選抜区分です。
試験内容は、面接、小論文、国語などの基礎学力検査が中心となることがあります。ただし、年齢、職歴、卒業からの経過年数、就業経験などの条件は学校によって異なります。
社会人向けの入試であっても、看護師免許を取得できる教育課程に入学するため、一定の学力を確認される場合があります。「社会人入試だから筆記試験がない」とは限りません。
入試の種類によって試験内容はどう違うか
入試区分によって、重視されやすい情報が異なります。実際の評価方法は学校ごとに違いますが、一般的な違いは次のとおりです。
| 確認されやすい内容 | 総合型選抜 | 学校推薦型選抜 | 一般選抜 |
|---|---|---|---|
| 志望理由 | 重視されやすい | 重視されやすい | 面接で確認されることがある |
| 高校での成績 | 確認されることがある | 重要な条件になることがある | 出願資格の確認が中心の場合がある |
| 筆記試験 | 実施する学校がある | 実施する学校がある | 中心になりやすい |
| 面接 | 実施されることが多い | 実施されることが多い | 実施する学校がある |
| 小論文 | 実施する学校がある | 実施する学校がある | 実施する学校がある |
入試の種類だけで難しさや合格しやすさを判断することはできません。募集人数、出願条件、試験科目、過去の倍率などを同じ学校の募集要項や入試案内で確認する必要があります。
自分に合う入試を選ぶときの確認手順
入試の種類を選ぶときは、次の順番で確認すると判断しやすくなります。
- 看護大学、短期大学、看護師養成所など、志望する教育機関の種類を決める。
- 志望校の募集要項で、総合型選抜、学校推薦型選抜、一般選抜などの募集区分を確認する。
- 自分が出願条件を満たしているか、評定平均値、卒業時期、年齢、地域などを確認する。
- 試験科目を確認し、国語、英語、数学、理科、小論文、面接のどれが必要か整理する。
- 出願期間、試験日、合格発表日、入学手続きの期限を確認する。
- 必要な対策を、筆記試験、面接、志望理由書、小論文に分けて準備する。
特に、推薦型選抜や総合型選抜は、出願期間が一般選抜より早いことがあります。受験を考え始めたら、まず志望校の入試日程と出願条件を確認してください。
看護学校の入試を選ぶときの注意点
募集区分の名前が同じでも、学校によって内容は異なります。次の点は、名称だけで判断せず、必ず募集要項で確認しましょう。
- 総合型選抜で筆記試験があるか
- 推薦型選抜で評定平均値の条件があるか
- 専願か、他校との併願が可能か
- 社会人や既卒者が出願できるか
- 面接が個人面接か集団面接か
- 小論文のテーマや文字数が指定されているか
- 看護大学と看護師養成所で試験科目がどう違うか
また、看護師を目指せる学校でも、卒業後に取得を目指す資格や進学の仕組みが異なる場合があります。入試だけでなく、修業年限、実習、卒業後の国家試験受験資格なども、学校選びの段階で確認すると安心です。
看護学校の入試は自分の条件と試験内容で選ぶ
看護学校の入試は、主に総合型選抜、学校推薦型選抜、一般選抜に分けられます。社会人入試や地域推薦などの特別選抜が用意されている学校もありますが、内容は学校ごとに異なります。
まずは志望校を決め、募集要項で出願条件と試験科目を確認してください。そのうえで、高校の成績を生かせるなら推薦型選抜、志望理由や経験を伝えたいなら総合型選抜、筆記試験を中心に受験したいなら一般選抜を検討すると、選択肢を整理しやすくなります。







