看護学生の実習がつらいときは、ひとりで抱え込まず、つらさの原因を分けて、早めに指導者や教員へ相談することが対策になります。睡眠不足や体調不良が続いている場合は、根性で乗り切ろうとせず、休むことも必要です。
まず、つらさの原因を整理する
実習のつらさは、「記録が終わらない」「患者さんとの関わりに自信がない」「指導が厳しい」など、原因によって対策が変わります。次のように分けると、相談する内容が具体的になります。
- 記録や事前学習が多く、時間が足りない
- 睡眠不足や疲労で体調が悪い
- 患者さんへの声かけやケアに自信がない
- 指導者や教員との関係に悩んでいる
- 失敗や注意を何度も思い出してしまう
- 実習先の雰囲気になじめない
紙やスマートフォンに「何が起きたか」「どの場面がつらかったか」「どうしてほしいか」を書き出すと、感情と問題を分けて考えやすくなります。
実習中は早めに指導者や教員へ相談する
最も優先したい対策は、つらさが限界になる前に、実習指導者や担当教員へ伝えることです。相談は「つらいです」だけでなく、事実と希望を添えると伝わりやすくなります。
たとえば、次のように伝えられます。
- 「記録に時間がかかり、睡眠が4時間ほどになっています。優先して直す部分を教えてください」
- 「患者さんへの声かけで迷っています。次に関わる前に、声かけの例を確認したいです」
- 「指摘を受けると頭が真っ白になります。改善点を一度に一つずつ教えていただけますか」
- 「体調が悪く、実習を続けることに不安があります。学校に相談したいです」
相談しても改善しない場合は、担当教員だけでなく、実習責任者、学生相談室、学年担当など、学校内の別の窓口にも相談してください。相談した日時と内容を簡単に記録しておくと、状況を説明しやすくなります。
記録や学習は「全部完璧」より優先順位を決める
実習中は、すべてを完璧にしようとすると睡眠時間が削られやすくなります。まず、患者さんの安全や実習の提出条件に関わる内容から取り組みましょう。
- 提出期限と提出物を一覧にする
- 患者さんの安全、観察項目、報告が必要な内容を先に確認する
- 記録の中で、必ず書く項目と後で見直す項目を分ける
- 分からない部分を抱えたまま書き続けず、質問する内容をまとめる
- 一定の時間で区切り、睡眠や食事の時間を確保する
記録では、事実と自分の考えを分けて書くことが基本です。「患者さんが何を話したか」「どのような様子だったか」「そこから何を考えたか」を分けると、文章を整理しやすくなります。学校指定の記録方法がある場合は、そのルールを優先してください。
失敗や注意を受けたときは、改善点を一つに絞る
実習では、注意を受けること自体が珍しくありません。注意された内容を「自分は看護師に向いていない」と広げず、次に変える行動へ置き換えることが大切です。
たとえば「報告が分かりにくい」と言われた場合は、次の報告で「いつ・どこで・何があったか」「患者さんの状態」「自分が確認したこと」「相談したいこと」をメモしてから伝えます。
同じ注意を繰り返さないために、実習後に次の3点だけを記録する方法もあります。
- できたこと
- 改善すること
- 次の実習で最初に行うこと
反省を長時間続けても、疲労が強いと考えがまとまりにくくなります。振り返りの時間を決めたら、次の行動を一つ決めて休むことも対策です。
患者さんとの関わりに自信がないときの対策
患者さんへの関わりで迷うときは、いきなり上手に話そうとせず、観察と確認から始めます。患者さんの表情や体調を見て、今話しかけてもよいかを確認し、短い言葉で声をかけます。
- 「今、お話ししても大丈夫ですか」と確認する
- 体調や困っていることを簡潔に尋ねる
- 患者さんの返答を急いで評価せず、最後まで聞く
- 分からないことや判断に迷うことは、自己判断せず指導者へ報告する
患者さんの反応が予想と違っても、それだけで実習が失敗したとは限りません。患者さんの状態や気分によって反応は変わるため、関わった状況を指導者と振り返り、次の声かけを考えます。
体調が崩れているときは、実習を続ける前に相談する
眠れない、食事が取れない、動悸や吐き気が続く、涙が止まらないなどの状態がある場合は、学習方法だけの問題ではない可能性があります。体調不良が続くときは、家族や学校の教員、学生相談室、医療機関などに相談してください。
発熱や感染症が疑われる症状がある場合は、実習先へ行く前に学校の決められた連絡先へ確認します。実習を休むかどうか、必要な手続きや再調整は、学校や実習施設のルールに従って判断してください。
「休んだら評価が下がる」と考えて無理を続けるのではなく、まず患者さんの安全と自分の健康を優先します。欠席や実習継続の扱いは学校ごとに異なるため、未確認のまま自己判断しないことが大切です。
つらさが強く、消えたい気持ちがあるとき
「消えたい」「自分を傷つけたい」と感じるほどつらい場合は、ひとりにならず、近くの家族や友人、教員、学生相談室に今の状態を伝えてください。自分を傷つける危険が差し迫っている場合は、地域の救急窓口や緊急通報など、すぐに助けを求めてください。
相談するときは、「実習がつらい」だけでなく、「眠れていない」「食べられない」「自分を傷つけそう」など、今起きていることをそのまま伝えます。うまく説明できない場合は、メモを見せても構いません。
実習がつらいときに最初にすること
まずは、今日のつらさを「記録」「人間関係」「患者さんとの関わり」「体調」のどれに近いか書き出し、明日相談する相手を一人決めてください。睡眠不足や体調不良がある場合は、その事実を最優先で伝えます。
実習のつらさは、努力不足だけが原因とは限りません。原因を整理し、必要な支援を受けながら、優先順位を決めて一つずつ対応することが大切です。>







