看護学校の面接では、志望理由、看護師を目指すきっかけ、学校を選んだ理由、学習への意欲、人柄や協調性などを質問されます。面接官は、答えの正しさだけでなく、看護を学ぶ意思があるか、相手の話を聞いて自分の考えを伝えられるかを見ています。
学校によって質問内容や面接形式は異なるため、以下の質問例を参考にしながら、受験する学校の募集要項や過去問も確認して準備しましょう。
看護学校の面接でよく聞かれる質問
まずは、次の質問に対して自分の言葉で答えられるようにしておくことが大切です。
- なぜ看護師を目指そうと思ったのですか
- 看護師を目指したきっかけは何ですか
- なぜこの看護学校を志望したのですか
- 本校について、どのようなことを知っていますか
- 看護師の仕事をどのように理解していますか
- 看護師に必要な力は何だと思いますか
- 将来、どのような看護師になりたいですか
- 看護師の仕事で大変だと思うことは何ですか
- 入学後、どのようなことを頑張りたいですか
- 高校生活やこれまでの学校生活で力を入れたことは何ですか
- 長所と短所を教えてください
- 人と協力して取り組んだ経験を教えてください
- 苦手な人と関わるとき、どのように対応しますか
- 失敗したとき、どのように立て直しますか
- 勉強が大変なときは、どのように乗り越えますか
- 最近気になった医療や福祉のニュースはありますか
すべての質問に詳しく答えられなければならないわけではありません。特に、志望理由と看護師を目指すきっかけは、ほかの質問にもつながりやすいため、具体的に整理しておきましょう。
志望理由についての質問と答え方
志望理由では、「なぜ看護師なのか」と「なぜその学校なのか」を分けて説明すると、考えが伝わりやすくなります。
「なぜ看護師を目指すのですか」
きっかけだけで終わらせず、その経験から何を感じ、なぜ看護師を目指すようになったのかまで説明します。
たとえば、「家族の入院がきっかけです」だけでは、看護師を目指す理由が十分に伝わらないことがあります。「入院中の家族に声をかける看護師の姿を見て、患者だけでなく家族にも寄り添う仕事だと感じた。その経験から、知識と技術を身につけて不安を抱える人を支えたいと思った」のように、経験と目標をつなげるとよいでしょう。
自分や家族の病気、介護、職業体験などを話す場合は、個人が特定される詳しい情報まで無理に説明する必要はありません。面接では、経験の大きさよりも、そこから何を考えたかが重要です。
「なぜ本校を志望したのですか」
学校の教育方針、実習先、取得を目指せる資格、通学条件など、実際に調べた内容と自分の目標を結び付けます。
「看護師になりたいからです」だけでは、ほかの学校にも当てはまる答えになります。「貴校の実習を通して地域医療について学べる点に魅力を感じた。将来は地域で暮らす高齢者を支えられる看護師になりたい」のように、学校の特徴と将来像を具体化しましょう。
学校の特徴を答えるときは、募集要項や学校案内などで確認した内容を使います。学校名や教育内容を間違えると、準備不足と受け取られる可能性があります。
看護師の仕事について聞かれたときの答え方
看護師の仕事を「患者の世話をする仕事」だけで説明するのは不十分です。健康状態の観察、療養上の世話、診療の補助、患者や家族への説明・支援、医療チームとの連携など、複数の役割があることを踏まえて答えます。
「看護師に必要な力は何だと思いますか」
コミュニケーション力、観察力、責任感、体力、学び続ける姿勢などが考えられます。ただし、力の名前を並べるだけでなく、なぜ必要なのかを説明してください。
たとえば、「観察力が必要だと思います。患者さんの表情や会話の変化など、小さな変化に気づくことが、状態を把握し適切な対応につながると考えるからです」と答えられます。
「看護師の仕事で大変だと思うことは何ですか」
夜勤、体力的な負担、患者や家族の不安への対応、命に関わる責任などが挙げられます。大変さだけで終わらせず、どのように向き合いたいかまで伝えましょう。
「責任が重い仕事だと思います。そのため、分からないことをそのままにせず、指導を受けて確認する姿勢を大切にしたいです」のように、学ぶ姿勢や安全を意識した考えを示します。
人柄や学校生活に関する質問
人柄についての質問では、看護に向いている性格を演じる必要はありません。自分の特徴を、実際の経験とともに説明することが大切です。
「長所と短所を教えてください」
長所は、看護の学習や人との関わりにどう生かせるかを述べます。短所は、単に弱点を伝えるのではなく、改善のために取り組んでいることまで話します。
たとえば、「長所は、決めたことを続けられる点です。毎日の学習時間を決め、継続して取り組んできました。短所は慎重になりすぎる点なので、優先順位を決めて行動するようにしています」といった答え方です。
「協力して取り組んだ経験はありますか」
部活動、委員会、学校行事、アルバイト、職場での経験などから、役割、工夫したこと、結果を説明します。目立った実績がなくても、相手の意見を聞いたことや、役割を最後まで担当したことが具体例になります。
看護は一人で完結する仕事ではないため、協力した結果だけでなく、意見が合わないときにどう対応したかも整理しておくと安心です。
「苦手な人と関わるとき、どうしますか」
「関わらない」と答えるのではなく、相手の話を聞く、感情的にならない、必要な内容を確認する、困ったときは周囲に相談するなど、現実的な対応を示します。
患者や家族、同級生、教員など、さまざまな人と関わるため、相手を一方的に決めつけずに対応する姿勢が求められます。
医療や社会について聞かれたときの準備
医療ニュースについて質問された場合は、ニュースの内容を詳しく説明することよりも、何に関心を持ち、どう考えたかを落ち着いて話すことが重要です。
準備するときは、次の順番で整理します。
- 医療や福祉に関するニュースを一つ選ぶ。
- 何が起きたニュースなのかを確認する。
- そのニュースに関心を持った理由を考える。
- 看護師を目指す自分に、どのような学びが必要だと思ったかをまとめる。
内容を十分に理解していないニュースを、知っているように話す必要はありません。「詳しくは分かりませんが、問題があることを知り、今後学びたいと思いました」と正直に伝える方法もあります。分からないことを断定したり、ニュースの内容を自分の意見として事実のように話したりしないようにしましょう。
答えにくい看護学校の面接質問への対応
面接では、準備していない質問や、すぐに答えが浮かばない質問をされることもあります。その場合は、慌てて長く話すより、質問の内容を確認してから簡潔に答えるほうが伝わります。
- 質問が分からないときは、「もう一度質問をお願いできますか」と伝える
- 考える時間が必要なときは、「少し考えてからお答えしてもよろしいでしょうか」と断る
- 知らないことは、知ったかぶりをせず「現時点では詳しくありません」と伝える
- 答えが長くなったときは、結論に戻って話を終える
- 質問と関係のない話を続けない
答えられなかった質問が一つあったからといって、直ちに面接全体が決まるとは限りません。質問を聞き、結論、理由、具体例の順で話すことを意識しましょう。
看護学校の面接で避けたい答え方
次のような答え方は、志望理由や学習意欲が伝わりにくくなります。
- 「人の役に立つ仕事だから」とだけ答える
- 学校案内の文章をそのまま暗記して話す
- 「絶対に向いている」「必ず活躍できる」と根拠なく断定する
- 看護師の大変さを理解せず、良い面だけを話す
- 短所はありませんと答える
- 家族や先生が考えた文章を、自分の経験のように話す
- 面接官の質問を最後まで聞かずに答え始める
模範回答を覚えることは準備の助けになりますが、丸暗記すると追加質問に対応しにくくなります。回答の要点だけをメモし、自分の言葉で話す練習をしましょう。
面接前に準備しておきたいこと
面接前は、次の項目を紙に書いて整理すると、答えの一貫性を保ちやすくなります。
- 看護師を目指すきっかけ
- 看護師になって取り組みたいこと
- その看護学校を選んだ理由
- 自分の長所と短所
- これまでに努力したこと
- 人と協力した経験
- 苦手なことへの対処法
- 入学後に力を入れたい学習
- 最近関心を持った医療・福祉の話題
次に、家族や先生などに面接官役をしてもらい、声の大きさ、話す速さ、姿勢、視線を確認します。録音や録画を使う場合は、内容だけでなく、語尾が小さくなっていないか、同じ言葉を繰り返していないかも確認できます。
服装、会場までの経路、集合時間、必要書類も前日までに確認します。学校によって面接形式や持ち物が異なるため、募集要項の記載を優先してください。
看護学校の面接で大切なのは、経験と考えを自分の言葉で話すこと
看護学校の面接では、主に「なぜ看護師を目指すのか」「なぜこの学校を選んだのか」「看護を学ぶ準備ができているか」が質問されます。まずはこの3点を、自分の経験や将来の目標と結び付けて整理しましょう。
面接の前には、質問例への回答を丸暗記するのではなく、結論と理由、具体例を話す練習をしてください。分からない質問が出ても、落ち着いて聞き返し、分かる範囲で正直に答えることが大切です。







