看護学校の小論文は、課題に対する自分の意見を示し、その理由を筋道立てて説明する文章です。書くときは、課題の意味を正しく捉え、結論・理由・具体例・結論の順にまとめると、読み手に伝わりやすくなります。
看護に関するテーマでは、知識を並べるだけでなく、患者や家族への配慮、他者との協力、責任感などを自分の考えとして説明することが大切です。
看護学校の小論文で最初に確認すること
書き始める前に、課題文から「何について」「どのような立場で」「何を述べるのか」を確認します。テーマを読み違えると、文章が整っていても問いへの答えになりません。
- 課題が求めている内容は何か
- 賛成・反対、原因、対策など、どの立場で書くのか
- 指定字数は何字か
- 資料の読み取りが必要か
- 自分の体験や具体例が求められているか
たとえば「高齢者への支援についてあなたの考えを述べなさい」という課題なら、高齢化の説明だけで終わらせず、どのような支援が必要だと考えるのか、その理由まで書く必要があります。
基本の構成は「結論・理由・具体例・まとめ」
看護学校の小論文は、次の4段落を基本にすると組み立てやすくなります。字数が少ない場合は、理由と具体例を同じ段落にまとめても構いません。
| 段落 | 書く内容 |
|---|---|
| 第1段落 | 課題に対する自分の結論や立場 |
| 第2段落 | そのように考える理由 |
| 第3段落 | 具体例、体験、課題への対応策 |
| 第4段落 | 結論を言い換え、看護師を目指す姿勢につなげる |
最初に結論を書くと、読み手は文章の方向性を理解できます。反対に、背景説明を長く書いて結論を最後まで示さないと、何を伝えたい文章なのか分かりにくくなります。
小論文を書く手順
1. 課題文のキーワードを抜き出す
課題文を読んだら、重要な言葉に線を引きます。「あなたの考え」「理由を述べる」「具体例を挙げる」などの指示語も確認してください。
「看護師に必要な資質について述べなさい」という課題なら、看護師、必要な資質、理由を説明することが中心になります。看護師の仕事内容を幅広く紹介する課題ではありません。
2. 結論を一文で決める
次に、「私は〇〇が必要だと考える」の形で結論を一文にします。複数の意見を詰め込まず、最も伝えたい考えを一つに絞ることがポイントです。
例として、「看護師には、患者の話を丁寧に聴く力が必要だと考える」と決めた場合、その後に「なぜ必要なのか」「どのように実践するのか」を説明します。
3. 理由を2つ程度考える
理由は、結論を支える内容にします。看護に関するテーマでは、次のような視点を使えます。
- 患者の不安や希望を理解するため
- 患者ごとに異なる状況へ対応するため
- 信頼関係を築くため
- 医療職同士で協力するため
- 安全な医療や生活を支えるため
ただし、理由を並べるだけでは説得力が弱くなります。「なぜそれが必要なのか」を一段深く説明しましょう。
4. 具体例を入れる
具体例には、自分の体験、身近な出来事、ニュースから考えたことなどを使えます。体験がないテーマでも、仮にどのように行動するかを示せば、考えを具体化できます。
たとえば「患者の話を聴く力」がテーマなら、「患者が不安を口にできない場合もあるため、表情や話す速さなどにも注意し、必要に応じて声をかける」といった行動まで書くと、意見が具体的になります。
経験を書く場合は、出来事の説明だけで終わらせず、その経験から何を学び、看護にどう生かしたいのかを続けます。
5. 最後に結論をまとめる
最後の段落では、最初の結論を別の表現でまとめます。「以上のことから」で始めても構いませんが、同じ文をそのまま繰り返す必要はありません。
看護学校の志望理由と関係するテーマなら、「入学後に学びを深め、将来は〇〇を実践できる看護師を目指したい」と、今後の姿勢につなげると文章を締めやすくなります。ただし、課題が求めていないのに志望動機だけを長く書くのは避けます。
看護に関する小論文で使いやすい考え方
看護のテーマでは、患者を一人の生活者として捉える視点が役立ちます。病気や症状だけでなく、本人の不安、生活環境、家族との関係、希望などにも目を向けて考えます。
また、看護師一人だけで対応するのではなく、医師や他の医療職、家族と情報を共有しながら支援するという視点も重要です。ただし、「看護師は何でも一人で解決する」と受け取られる表現は避け、必要に応じて相談・連携する姿勢を示しましょう。
テーマ別の視点
| テーマ | 考える視点 |
|---|---|
| 思いやり | 相手の立場を理解し、具体的にどのような行動をするか |
| コミュニケーション | 話すことだけでなく、聴くことや非言語的な変化への気づき |
| チーム医療 | 情報共有、役割分担、異なる専門性を生かすこと |
| 高齢化 | 治療だけでなく、生活の継続や本人の希望を支えること |
| 医療安全 | 確認、報告、相談を徹底し、個人の思い込みを避けること |
これらはあくまで考える方向を決めるための視点です。テーマに合わない内容まで無理に盛り込まず、課題に直接関係するものを選んでください。
書き方の例
テーマを「看護師に必要な力」とした場合、次のような流れで書けます。
結論:看護師には、患者の話を聴き、気持ちを理解しようとする力が必要だ。
理由:患者は病気や入院生活に不安を抱えていても、すべてを言葉にできるとは限らない。話を丁寧に聴くことで、患者の希望や困っていることを把握しやすくなる。
具体例:患者の言葉だけでなく、表情や声の変化にも注意し、必要な場合は分からない点を確認する。また、自分だけで判断せず、得られた情報を医療職間で共有する。
まとめ:患者の思いを理解しようとする姿勢を持ち、信頼される看護師になれるよう、入学後は知識とコミュニケーション力の両方を身につけたい。
実際の答案では、この内容を指定字数に合わせて一つの小論文にまとめます。例文を暗記するのではなく、課題に合わせて結論と具体例を変えてください。
評価を下げやすい書き方と改善方法
- 課題文の説明だけで終わる:自分の意見を早い段階で示し、理由と具体例を加える。
- 抽象的な言葉が多い:「思いやりが大切」と書いた後に、どのような行動をするのか説明する。
- 体験談が長すぎる:出来事の説明を短くし、そこから得た学びを中心に書く。
- 一文が長い:一文に一つの内容を入れ、主語と述語の関係を確認する。
- 話題が途中で変わる:各段落が結論を支えているかを読み直す。
- 字数を大きく下回る:理由、具体例、今後の行動を補う。ただし、同じ内容の言い換えで埋めない。
「絶対に」「必ず」などの強い断定を多用するよりも、「必要だと考える」「状況に応じて」と書き、患者ごとの違いや連携の必要性を示すほうが、現実に即した文章になります。
提出前に確認するチェックリスト
書き終えたら、内容と形式を次の順番で確認します。
- 課題が求めている問いに答えているか確認する。
- 冒頭付近に自分の結論が書かれているか確認する。
- 結論を支える理由と具体例があるか確認する。
- 看護師を目指す立場として、患者への配慮や連携の視点が必要か検討する。
- 指定字数、段落、原稿用紙の使い方を確認する。
- 誤字脱字、主語と述語のずれ、同じ表現の繰り返しを直す。
- 音読して、意味が通りにくい文や長すぎる文を修正する。
原稿用紙の書き方や字数の扱いは、学校や試験の指示を優先してください。指定がある場合は、段落の始め方、題名の有無、鉛筆やペンの種類なども募集要項や受験案内で確認します。
看護学校の小論文は、難しい専門知識を多く書く試験ではありません。課題に答え、自分の考えを理由と具体例で説明し、看護に向き合う姿勢を示すことが基本です。まずはテーマごとに「結論・理由・具体例」をメモしてから、指定字数に合わせて文章にすると書きやすくなります。







